プロジェクト紹介
PROJECT
介護施設を地域の居場所にー100以上のアイデアを出しあう住民✖️施設ワークショップ
期間:2016年8月-10月
はっぴーの家ろっけん:https://note.com/happy_house
概要
“カオスな介護付きシェアハウス”で知られる、神戸市長田区の「はっぴーの家ろっけん」。オープン前の2016年に行われた、地域の人たちが“ここをどんな場所にしたいか”について話し合うワークショップのファシリテーションをシミンズシーズが担当しました。
背景
この場所を「自身の祖父母が楽しく過ごせそうなところにしたい」「地域の人が集まれる場所にしたい」と考えていた株式会社Happyの代表・首藤義敬さん。設計図の図面ができた段階で、“地域のさまざまな人の意見を聞きたい”と、ブランディング講座などでつながりのあったシミンズシーズにお声がけをいただきました。
実施概要
まちづくりに関する企画の際、「地域の人の話を聞く」というプロセスを踏むことが増えてきていますが、肝心なのは「どんな人の話を聞くのか」ということ。今回は子育て中の人や勤め人、若者などさまざまな立場の人に来てもらえるよう、曜日と時間帯を変え、1回10人程度のワークショップを複数回実施しました。
各回のワークショップでは、近隣で子育て中の人、子どもや学生、商店街の人、行政の方、ここで働きたいという人、スタッフの方など、さまざまなバックグラウンドの人たちが参加。初対面の人であっても、思うままにたくさんのアイデアを出してもらえるよう、形式ばってない、ゆるやかな場の雰囲気をつくりながら進行。
すると「Wi-Fiとか電源が使えたら」「終電を逃したときに泊まりたい」「ゲームしたい」「グローバルな人たちに出入りしてもらえたら外国語に触れられていいな」など、介護とはおよそ関係のなさそうな「みんながやりたいこと」のアイデアが数えきれないほど出てきました。
こういったワークショップでは、「たくさんの意見が出ましたね、お疲れさまでした」で終わりになってしまうものも多いのですが、アイデアは実現してこそ価値があるものです。
そこで最後のセッションでは、一見型破りでバラバラに見えるこれらのアイデアを、Happyが何を軸として進めていくのか、大事にすることは何なのか、ここがどういう場所であってほしいのか…という指針につながるよう整理。アイデアを実現させていく側となる現場のスタッフさんたちのエンパワーメントにも気を配りました。
その後、はっぴーの家ろっけんがオープンして以降は、民泊として登録されたり、ママさんがちょっと子どもを預けたり、近くの小学校の子どもが遊びに寄ったり…。このときのワークショップで出てきたアイデアのほとんどは実行されているそうで、さらにそのことがメディアなどで話題になり、ビジョンが広がっていくという好循環が起こって「採用や入居者募集にお金をかけたことがない」とのこと。2022年には「30(さんまる)」という映画にもなったそうで、Happyのカオスな日々はまだまだ続きそうです。
参考:
HELPMAN JAPAN:多世代が集まる「大家族」の新しいカタチ。介護付き住宅「はっぴーの家ろっけん」
https://helpmanjapan.com/article/8161
soar:「これが現代版の「大家族」!介護付きシェアハウス「はっぴーの家ろっけん」で子どもから高齢者までが楽しく暮らす」
https://soar-world.com/2017/12/20/happynoierokken/