プロジェクト紹介

PROJECT

  • ビジョンづくり

フリースクールを「まちのがっこう」へ。理念を言語化・我がごと化するワークショップ

期間:2023.8-2024.6
つくるがっこう イホルラ舎HP:https://ihorula.com/

概要

和歌山県橋本市にある「つくるがっこう イホルラ舎」の理念の言語化および、地域住民の皆さんやボランティアさんによる「我がごと化」について、シミンズシーズが企画・ワークショップのファシリテーションを行いました。

背景

アーティストのご夫婦が設立したフリースクール「つくるがっこう イホルラ舎」は、多様性と対話、そして「ものづくり」をはじめとした「つくること」を大切にした場所です。

利用する子どもたちの増加に伴い、スタッフ二人だけでは人手が足りなくなりつつありました。そこで、団体として大切にしていることを言語化して地域住民の方々やボランティアさんに共有し、これまでよりも一歩踏み込んで関わってもらうことを目指すことになりました。

実施概要

今回ご提案したのは、「理念の言語化」と、関わる方々に理念を共有し「自分ごと化」してもらうワークショップの2段階のプログラム。

設立から様々な変化があった中で、コアとなる不変の価値観は何なのかを探るべく、まずは少人数で理念の再構築・言語化ワークショップを行いました。

ご夫婦の生い立ちから始まり、イホルラ舎を始めることになった経緯・子どもたちや関わる人とのエピソード、やりがいなどを参加者がお二人にインタビューし、それらに共通するキーワードを6時間✕2日間かけて探索・収斂していきました。

次のステップは、まちの人たちやボランティアさんたちと理念を共有し、それを我がごと化するワークショップ。お二人の「だれも来てくれなかったらどうしよう」との心配をよそに、子どもから大人まで、30人近くが「イホルラ舎のこれから」を考えるために集合。団体として大切にしたいことを共有した上で、それぞれができることを考えてシェアする時間を持ちました。

その結果、「音楽会したいな」「ビラ配りならできるよ」「アフリカの人とおつなぎできる」「草むしりする」など、どの参加者も前向きに、得意なことやできることをシェアしていました

成果・声

後日行ったフォローアップでは、これまで子どもに接する大人が常勤スタッフ二人だけだったのが、無償・有償のボランティアさんが増えたことで常時3~4人体制になったことで、公園に行きたい子どもも残りたい子どもにも目を配れたり、常勤スタッフの体調不良時に休校にしなくてよくなったりしたこと、さらに広報やさまざまなイベントをしてくださる方も現れたとのうれしい報告をいただいています。

また、実施前のお二人には「言語化することで、そぎ落としてしまう部分に大切なところがないのか」「自分ごと化してくれるボランティアがそもそもいるのか」といった不安もおありだったようですが、実施後はこのようなお声をいただくことができました。

副代表:柴田香織さん
「ワークショップを受けて、ほんとにとてもよかった。自信になった。はっきりしたこと、ワークショップで話したことを毎日アタマに入れながら過ごすことで、違和感なく過ごせている。よりオープンに、いろいろかかわってもらえる場にしたいと強く思います」

代表:柴田政治さん
「言語化ワークショップはもっと強引に言葉を絞り出す作業になるかと想像していましたが、するすると気持ちよく言葉を引き出していただきました。言葉で整理したところで、この3年間もやもやしていたものがかなり整理された。方向性が見えたというか、自信というものになったと思います。」

参考:副代表:柴田香織さんへのインタビュー動画「理念の見直しどうやった?イホルラ舎さんに体験談を聞いてみた」

(インタビュー&制作:NPO広報友の会)