プロジェクト紹介
PROJECT
校外学習企画を通じて社会人基礎力を身に付ける授業プログラム提供
2014.04~
支援先:兵庫県立農業高等学校 定時制課程
概要
兵庫県立農業高等学校 定時制課程の授業「総合的な学習の時間」として、シミンズシーズが4年生向けに「シミンのジリツ講座」の講師を務めています。
背景
自己表現や対話が苦手な若者が多いと言われる昨今、他者と協力・協同する力の育成が重視されています。
兵庫県立農業高等学校 定時制課程では、就職などで社会に出ていく生徒たちがコミュニケーションや他者と力を合わせて進める力を身につけられるよう「シミンのジリツ」講座が正規課程として組み込まれています。
校外学習の行き先や役割を生徒たち自身が決め、振り返るプロセスを通して、全員が「企画に自分が関わった」という実感を持ち、それぞれの役割を楽しく果たすプログラム。この授業の企画・ファシリテーターを2014年からシミンズシーズが務めています。
実施概要
この講座は4年生の5月から1月まで、6回にわたって行われます。少人数とはいえ、校外学習で行きたいところ・やってみたいことはそれぞれバラバラ。
これらをすり合わせていくために、まずは「いいアイデアが一つより、荒削りでもたくさんのアイデアがいいよ」「否定はなしで、“いいね!”って言い合おう」など、対話のためのグランドルールを伝えつつ、安心して話せる雰囲気をつくっていきます。
堅苦しくならないようゲーム的な要素も盛り込むなど、普段の授業との差別化を意識しながら「校外学習で大事にしたいこと」「めざしたいこと」といったビジョンを生徒自身が考え、全員にシェア。
エリアや行き先について意見出しの時間を持つときも「なぜそこに行きたいのか」という意見の裏側にある思いを話し合ってもらいます。
たとえば2022年の話し合いの中で「動物園に行きたい。行ったことがないから…」という声があがったときには「それは行かなあかん!」とみんなの心がぎゅっとひとつに。
自分の意見を言葉にする時間、相手の意見に耳を傾ける時間をしっかり持ち、出てきた意見から大切なキーワードを拾っていきます。
「日帰りで、一人1万円まで」という制約も加味して実現可能な旅程に落とし込んだら、つぎは役割分担。スムーズに進むよう、自己開示と相互理解を深め、協同力を高めるワークを盛り込み、旅のしおり、チケットの手配、乗り継ぎや昼食のお店 天気やトイレの場所を調べる、着物の着付けの予約など担当が決まっていきました。
そして、校外学習は「行って終わり」ではありません。全員で校外学習そのものと、プロセスの両方を振り返ります。印象に残ってるシーンを話し合ったり、それぞれをねぎらう“褒めシャワー”をしあったり。
そのうえで、価値観の違う他者とのコミュニケーションや合意形成について学ぶゲームやワークもとり入れることで、それぞれの気づきを深めていきます。
全6回を終えた後の振り返りアンケートでは、「みんなで決めることの難しさと楽しさを知った」「みんながバラバラだったのがひとつになった。一人ひとりがリーダーになった」などの、心強い言葉が見られました。